♪山茶花、山茶花咲いた道、焚き火だ、焚火だ落ち葉焚き、あーたろうか、あたろうよ、しもやけお手てが、もうかゆい♪
ご存じ童謡「たきび」は筆者の故郷、東京都中野区の冬景色から生まれた歌である。
山茶花は山口県、四国、九州南部、沖縄に自生する日本固有種のツバキ科の樹木で、本来東京や伊豆で見られる植物ではない。しかし、芳香を有し見事な大輪の純白の花弁が散ると樹下は雪景色と変貌し落花静寂の趣を呈することから江戸時代に品種改良が盛んとなり、赤やピンク系の花色が誕生した。伊豆で目にする山茶花はこれらの栽培種である。芳香であるが白花とピンク系では微妙に異なっており、是非とも比べてみてほしい。山茶花と椿はよく似ているが、芳香があり、雄蕊の基部が合着せず花弁がバラバラに散り、葉にはギザギザの鋸歯がある点で山茶花と同定することができる。この冬、散歩の折に山茶花と椿の同定にチャレンジしてみては如何であろう。
(山口康裕)
撮影地:小室山