大室山(4) 4ヵ所から膨大な溶岩「先原三里」を出現させる
東方向に向かった溶岩は払火山で二分されたが、北側に富戸の溶岩扇状地、南側に10キロメートルにおよぶ城ヶ崎海岸を形成している。岩室山は現在、山全体が伊豆シャボテン動物公園となっている。
高圧鉄塔のある「森山」からは、溶岩が南東方向に向かい、伊豆急行「伊豆高原駅」「八幡野港」まで3キロメートルの地域を流れ下った。
南流した溶岩は再び対島川を高くせき止め、池が拡大した。溶岩の高さは池小学校のレベルくらいであるが、溶岩の底の吸い込みがあり、水面は龍渓院の境内くらいかもしれない。
溶岩流Ⅳは池側山麓の大鳥居から続く登山道の途中で見られる。ススキに埋もれて見えにくいが、山焼きの後には確認できる。山頂火口にたまった溶岩流の一部が染み出したという説もあるが、南壁の一部の可能性もある。
山焼き直後にのみ山肌を見せる大室山はまだ秘密が隠されているかもしれない。<続く>
(文:斉藤俊仁)



大室山にはジオテラスの以下のジオツアーでお客様を案内しています。
A-1 大室山コース
A-2 大室山・さくらの里コース